病気を知ろう

第2回 気管支喘息のコントロール法

 咳や呼吸困難のために受診し、診察や検査によって気管支喘息と診断された場合、当クリニックでは次のような治療をしています。

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 気管支喘息の治療の目標は、肺機能が維持され、健常人と変わらない日常生活が送れることです。そのために喘息の重症度を4段階に分類し、それぞれの重症度に適した予防、発作の治療を行います。

1)喘息日誌に症状の記録をします。
2)自宅でピークフローメーターの計測を毎日行い、喘息日誌に記録します。ピークフローメーターとは簡易的な肺機能測定器具であり、喘息の状態が増悪すると測定値が低下し、改善すると上昇します。
 測定は毎日朝晩に3回ずつ行い、最も高い値を記録します。できるだけ決まった時間、薬を吸入内服する前に行い、姿勢は立って行います。
 
 以上によって気管支喘息の重症度の判定を行います。記録を毎日続けていくと、喘息の病状とピークフロー値の関係がわかってきます。喘息の増悪が予測できるため、必要な処置をとり発作の重症化を予防します。

08_photo03.jpg←吸入ステロイド
 軽症の場合、症状増悪時に気管支拡張剤の吸入や、内服治療が行われます。内服薬には気管支拡張作用のあるテオフィリン薬、吸入性アレルギーを抑制する抗アレルギー薬などがあります。
 気管支喘息の病態は様々な原因によっておこる気管支の炎症です。中等症から重症の場合には強い抗炎症作用をもつ吸入ステロイド薬を追加します。

 成人の気管支喘息は慢性疾患で、年余にわたる治療が必要となることがほとんどです。しかし以上のような治療を継続した場合、症状もコントロールされ健康人と同等の生活を送れるようになります。
 気管支の炎症による病気の重症化を防ぐためにも、治療を継続することが大切です。また治療の副作用や日常生活上の注意点など心配な事もたくさんあると思います。当クリニックでは様々な背景をもつ一人一人に最適な治療を行っていますので、どうぞお気軽にご相談下さい。