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かぜの発熱への対処法

 発熱とは何らかの原因によって、体温調節中枢のセットポイントが高い方へ移動し、体温が高くなった状態です。その原因には感染症、腫瘍熱、膠原病、中枢性発熱などがあります。

発熱のメカニズム

 発熱の原因のうち最も多いのは、細菌やウイルスなどの感染症です。感染をうけると、白血球からサイトカインと呼ばれる発熱物質が作られます。これが脳の視床下部にある体温調節中枢に作用して、体温の設定温度を高めにセットします。体温が上昇すると細菌やウイルスの増殖する速度が低下し、白血球が細菌を貪食する作用は増強します。そのため発熱は生体の防御反応のひとつと考えられています。

かぜの発熱に対する対処法

 かぜの発熱には前兆期、上昇期、ピーク期、下降期の4期があります。
  1. 前兆期
  2. 悪寒(寒さ)を感じふるえが起こる時期です。視床下部が体温上昇を命令し、皮膚の血管が収縮しふるえが起こります。この時期には体温を逃がさないように十分に保温をする事が重要です。また熱源となる炭水化物(ごはん、おかゆ、麺類など)や、唐辛子を使った料理をおすすめします。

  3. 上昇期
  4. 発熱のため身体がだるく頭がボーっとしてきます。免疫細胞が活発に活動するためビタミンCが消費され、ビタミンCの補充が必要です。ドリンク類などで摂取するとよいでしょう。

  5. ピーク期
  6. 免疫細胞とウイルスが激戦を繰り広げている時期です。体力の消耗を防ぐために安静が重要です。免疫細胞は睡眠により作用が増強されます。またバナナは免疫を賦活しますのでおすすめです。

  7. 下降期
  8. ウイルスの撃退が終了し、発汗が始まります。発汗が始まったら保温をやめ、頭・額・脇などを冷やします。衣類は吸水性の良い綿素材のものを着用し、汗をかいたら着替えましょう。脱水に注意しスポーツドリンクのような電解質を含んだ飲み物を飲みましょう。炭酸も筋肉の疲労回復に有用です。


解熱剤の使用について

 発熱はかぜウイルスの発育を抑制します。解熱剤を使用して熱を下げるのは生体の防御反応を弱めることになります。解熱剤は38℃以上の発熱で、頭痛や関節痛などの症状が強い時に頓用で使用するようにしましょう。一日3回のような常用は避けましょう。

 冬にはインフルエンザウイルスが流行しますが、夏にはエコー、コクサッキーなど夏かぜウイルスの感染がおこります。かかったら上手に対処して、長引かせないようにしましょう。