第35回 便秘への対策

 普段から便秘で悩まれている方も多いと思います。今回は便秘のコントロールについてです。

便秘とは

 食べた物は食道を通って胃の中へ入ります。食物が入り胃がふくらむと、反射的に大腸が動き始めます。大腸の中の便が直腸に流れ、直腸壁が刺激されます。これが大脳に伝わり便意が起きます。いきんで腹圧が高まり便が排出されます。この過程のどこかに障害があると便秘が起こります。
 便秘は排便量が減少したり、便が固くなったりして、排便困難や残便感などの不快感を感じる状態です。排便習慣は人によって様々で、便通が3~4日に1回でも排便に困難を感じなければ便秘とはいいません。

便秘のタイプ

1)大腸ガンや大腸ポリープなど腹部の病気によるもの
2)糖尿病、甲状腺機能低下症などの全身性疾患によるもの
便秘が長く続く場合は、健康診断や検査をおすすめします。
3)モルヒネなど薬剤性の便秘
4)単純性便秘
老人や無力体質者に多く、腹痛はなく便意が弱いのが特徴です。運動不足の人に多くみられますが、最近若い女性にも増えています。大腸の運動が低下して起こる弛緩性便秘と、老化や便意を我慢することによって直腸からの反射が減弱し、便意が起こらなくなる直腸性便秘があります。
5)けいれん性便秘
副交感神経の過緊張による蠕動運動亢進です。よくみられるのが過敏性大腸症候群の 便秘型です。腹痛があり便意は強いですが、便はうさぎの便様で残便感があります。ストレスや過労が原因になります。

 このうち単純性便秘、けいれん性便秘は腸管の運動機能障害によるもので、旅行などの環境変化でも起こります。朝、排便に十分な時間をとれないためなど、よくみられる便秘です。

便秘の改善法

 腹部の病気や全身性疾患に伴う便秘では、病気の治療が第一です。
 一方単純性便秘では食生活や排便習慣に問題があることが多いようです。規則的な生活を目指し、1日3回食事をとりましょう。野菜、穀物、海藻、きのこ、果物など繊維成分の多い食品を食べましょう。適量の油は潤滑油になります。酸味や香辛料は腸に刺激を与えてくれます。適度のアルコールも便通をよくしてくれます。。ヨーグルトは腸内環境を整えます。朝起きがけにコップ1杯の冷水を飲むなど水分を十分に摂取することも大切です。定期的に運動をしましょう。ストレッチやウォーキングは腸に刺激を与え排便を促します。また毎日朝食後など一定の時間に排便をする習慣が大切です。
 けいれん性便秘ではコーヒーなどの嗜好品をとりすぎないように注意しましょう。また原因となるストレスへの対策も必要です。入浴のしかた、ハーブなど気分をリラックスさせる方法をさがしましょう。 治療薬としては、整腸剤、漢方薬、下剤などが使用されます。直腸性便秘には下剤のほかに、浣腸薬や坐剤が使用されます。けいれん性便秘には消化管の運動機能を整える薬や抗不安薬を使用します。妊娠中の下剤の使用は注意が必要です。内科や産科で指導を受けて服用して下さい。

 排便は健康に生きるため大切なことです。恥ずかしがらずに相談したり、重症の場合は内科で治療を受けましょう。また生活習慣や食事など自分で改善できる点もありますので、試してみてください。

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